今日は午前中,自己破産事件の債務者審尋というのがあり,次女を幼稚園に送って,その後,週末の地域の会合の打合せをしてから,大阪地裁に向かいました。

 

体調が優れないと事前に聞いていて,今日は早めに出たと聞いていたのに時間になっても来られないので,ちょっとドキドキしましたが,道に迷ってタクシーで向かっている,という連絡があり,30分遅れで到着されました。

 

裁判官からお叱りを受けるかと思いきや,遅刻については特にお咎めがなく,終始穏やかな雰囲気で質疑応答が進みました。

 

期日が終わって,1階のロビーに移動し,今後の流れを説明しつつ,近況の確認や今後どうしていくつもりかといったことを親身になって聞かせていただき,気がつけば,裁判所を出る予定だった時間よりだいぶ過ぎていたのでした。

 

その後,事務所に戻ってあれこれ用事をしたり,電話会議という裁判手続の対応をしたりしていたのですが,そろそろ帰ろうか,という頃に今朝の審尋の依頼者から直接電話がありました。

 

別件の相談で,その話を聞いている中で,これまでの担当事務局の問合せがときに厳しくて堪えるので,今後は全て私が窓口となって対応してくれないか,というものでした。

 

もちろんそれは構わないし,それが仕事ではあるのですが,どうしても事務連絡となると,他にも案件が多数ある関係で自分1人では回らないので,担当事務に連絡してもらうことになります。

 

そういう状況を説明した上で,どうしてもという場合は自分が対応するので安心してください,ということで話が終わったのでした。

 

きっとこれまで,事務局とのやり取りで不満に思ったり不安に思ったりすることがあったんだと思います。それをわざわざ弁護士に直接言っていいものか,というのもあったと思うんですね。

 

本来ならそういうことも察しないといけないわけですが,電話でのやり取りだったりすると顔が見えないので声だけでは伝わらないこともあり,気づけないこともあるんですね。

 

今日は,本来ならあってはいけない遅刻という事態が生じ,ご本人としても相当焦っていたと思うのですが,私も特にその点を咎めることをしなかったし,裁判所でもそれを言われることがなかったので,ホッとした部分はあったと思います。

 

それに加えて,普段考えていることなどをしっかり聞いてもらえたので,自分の思いを素直に出してもいいんだな,という風に感じてもらえたのもあったと思います。

 

それが,今日の帰りがけのあの電話に繋がったと思うんですね。

 

破産に限らず,債務整理の依頼の場合,代理人が間に入ると債権者からの督促が止まるので,どうしてものど元過ぎれば,といった感じになりがちなので,ときに厳しいことを言わないといけない場面もあるのですが,普段はやはり債務者として心身ともに疲弊されている方に対する配慮は必要だろうと思います。

 

うちの事務所の担当事務局も決して怖かったり厳しかったりするわけではないのですが,ちょっとした物言いの違いなどで受け手がこちらが思う以上に深刻に受け止めることもあるので,そこは想像力を働かせながら,しかし,必要なことはしっかり伝える,ということを心掛けないといけないな,と思います。

 

普段,事務局がときに厳しく言うことが多いので,弁護士まで一緒になってやいやい言っては立つ瀬がなくなる,というので,硬軟織り交ぜてバランスを取ろうと,基本的に自分が厳しいことを言うことは極力控えてはいるのですが,しっかり信頼関係を築いた上で,ときに厳しく言うこともしないとな,と思った次第です。

 

なかなか難しいところですが,双方ともに協力して,最終的に達成すべき目標に向けて柔軟に対応していくのが大事だな,と思います。


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