鰹節削り器と本枯節

今年に入って,いわゆる添加物の類を極力排してより自然なものを採り入れるようにしよう,というふうにしています。

今年に入って,Facebookで偶然知り合ったジェフリー・ローさんが主催する「A seed」さんから選りすぐりの食材を届けていただくようになったのですが,そのやり取りの中で,「次の世代に正しい食文化を残すため,少しでも良い物を作る生産者さんを守り,その考えをより多くの人に広めていきたい」という趣旨のことを仰っていて,ほんまそうしないといけないなぁ,と思った次第です。

私は昭和44年生まれですが,自分が子供のころは,まだまだスーパーなんて珍しい時代で,せいぜい小売店がいくつも入っている市場があるくらいだったのですが,当時は何でも保存食でない限り日持ちしないのは当たり前,食材はその日の食事に必要な分を買って帰って調理するのが当たり前でした。


祖母と買い物に行った先のうどん屋さんでは,陳列に並んだ封をされていないうどん玉を必要な分だけ頼んで,その場でうどん玉をひょいひょいっと取り上げて包んでもらうという感じでした。

野菜はかごに盛られたものを新聞紙などで包んで買い物かごに入れてもらっていたし,肉は長い防水の紙に並べてそれを折りたたんでビニール袋に入れてもらっていたし,夕方になったら売れ残ったら捨てないといけないので安売りになって,まだまだ美味しいものを安く手に入れることができる,そんな買い物が当たり前でした。

自分自身,いわゆる○の素(化学調味料)世代で,なんでもあの卓上の小瓶からパッパッと振りかけて食べるのが習慣になっていたのですが,いつしか大型スーパーやコンビニが当たり前になり,衛生面から何でも包装されるようになり,色んな技術革新により様々な食材が長持ちするようになって,しかもどれも安価に手に入るようになり,いつしか食材にあまり気を遣わないようになってしまいました。

昔は体によくてもおいしくないな,と感じるものはいくらでもありましたが,最近はどんどん手を加えられて,臭みがないとか苦みがないとか,特に子供が苦手にするような味わいのものがどんどん減ってきて,誰でも普通に口にできるものがたくさん増えたと思います。

そのことで,よほどのことがない限り誰もが普通に食事をすることができるようになったし,自分より前の世代が戦後感じたひもじい思いをするということもなくなって,それはそれでよかったと思います。

ただ,最近はちょっと度が過ぎてしまったのかな,という感じがしますが,ちょっと原材料のラベルなどを見ると,一体この食材のメインはなんなんだろう?と思うような内容になっているように思います。

自分が40歳になって子供に恵まれ,今は2人の娘がいるわけですが,自分の子供の頃と違って,気がつけばジャンクフードを口にし,アイスだお菓子だといった手頃な値段で手に入るものばかり食べているのを見て,本当にこのままでいいのかな,とふと思いました。

それが,ちょうど自分も年を取ってきて,何でも先ずは量を食べないと,というのから段々と少量でも美味しいものをいただきたい,という気持ちに変わってきたのと相まって,これもいい機会だし,ちゃんとした食材を手に入れて,それを口にする機会を増やしてみよう,と思うようになりました。

それまでは,それなりにいい食材は高くて手が出ない,と勝手に思い込んでいましたが,「A seed」さんで扱っている食材もそうだし,近所の「キャロット」という自然食のお店の食材もそうだし,自分で見聞きしていいと言われているものもそうですが,たしかにスーパーで安価に売られているものに比べたら,絶対的な金額面では高いものの,その内容,手間ひまのかけ方を考えたら,むしろ安いんじゃないか,とさえ思えるようになったんですね。

特に,外食で1回に使う金額と,よい食材を使って1食作るのと比べてみたら,実は手づくりのおいしい食事のほうが安価だな,ということに気づきました。

安価に売られているものは,ある程度手を加えられて手軽に使えるものもあるわけですが,実はその手間を惜しむ分に見合うほどの内容ではないんじゃないかな,と思うようになったんですね。

そこで,下準備に少し手間がかかるけれども,ちゃんとした食材を使ってみよう,ということで,今回は,その一環として本枯節(ほんかれぶし)の鰹節と,鰹節削り器とを購入することにしたのでした。

鰹節削り器

鰹節削り器は実家でも見たことがなく,亡くなった祖父が一時期鰹節を自分で削り器で削っていたのは見たことがありましたが,手にとってじっっくり見るのはこれが初めてです。

削り器 「絹花/きぬばな 小」 引出無し
替え刃式のカンナ刃、「絹花/きぬばな 小」 引出無しです。
・寸法 幅88×奥行276×高さ80mm
・箱–桐 ・底板–合板 ・表面はラッカー塗装
・カンナ台-樫 (幅72mm、長さ258mm)
・替刃式鉋刃-炭素工具鋼 SK5、台座 – 軟鉄
・脚-滑り止めゴム ・重量-約1,030g
・販売価格 7,000-(税抜)

桐独特の軽さが箱の部分に感じられますが,鉋(かんな)台は樫の木でどっしりとした重量感があります。底に滑り止めのゴム足がついているので,少々揺すったくらいではびくともしません。

鰹節削り器の鉋(かんな)の裏側

こうやって裏返してみると,あぁ,大工さんが木材を削るあの鉋(かんな)といっしょやな,と思いますね。

刃先交換の仕方

今回購入したものは替え刃タイプということで,四角い形をしていて刃が4つ付いているので,刃の切れが悪くなったらネジを外して交換すればいいみたいです。

最初は刃先の出具合の調整は不要のようですが,刃を交換した際は自分で調整してくださいね,とのことです。

削器(カンナ)のお手入れ

刃のお手入れをするのはしばらく先のことだと思いますが,やったことがないので,さてうまくいくのかどうか,今から楽しみです。

鰹節削り器の刃

刃先は新聞紙1枚分くらい出るように,とのことですが,肉眼で見る限り,刃先が新聞紙1枚も出ているように見えません。

鰹節削り器の鉋(かんな)

むしろ,周りと比べて引っ込んでいるような気がする…

でも,触ってみると,たしかに指先が刃に当たる感触があるので,間違いなく刃は出ているんだと思います。

これはもう,調整は目視ではなく,手触りで確認するしかないな,と思っています。

本枯節(背節)と鰹節削り器

一緒に買った鰹節,こちらは「近海 一本釣 本節(背節・雄節)」というもので,いわゆる血合いの上半分,背中側のものになります。

鰹節の種類(にんべんかつお節塾より)
・本節
3kg前後を境に大きいものは、3枚に卸した左右の身をさらに背側・腹側に切り分けて、背節(雄節)、腹節(雌節)各2本、計4本の節を造ります。
・亀節
3kg前後を境に小さいものは、3枚に卸した左右の身から、2枚の節を造ります。出来あがった節の形が亀の甲羅に似ているので、亀節と呼びます。

本枯節(腹節)と鰹節削り器

もう1本は「近海 一本釣 本節(腹節・雌節)」というもので,いわゆる血合いの下半分,腹側のものになります。

背節より腹節のほうが脂の乗りがよくて,出汁を取るときによりコクのある味わいになるそうです。背節のほうが上品な味わいになるとか。

その代わり,脂分が多いと削ったときに粉になりやすいそうです。見た目にきれいな花かつおになるのは背節だそうです。

後,今回は買っていませんが,亀節といって,大きさが3kg前後より小ぶりの鰹のかつお節は,半身を上下に分けずに3枚に下ろしたまま使うそうです。

こちらは扱いやすいそうですが,その分,大きな花かつおにはなりにくいそうです。

かつお節の削り方

参考までに,同封されていた鰹節の削り方を載せておきます。

イメージとしては,鰹節を載せてそのまま前後するだけかな,と思っていたのですが,そもそも鰹節にも目があって削る向きがあり,しかも斜めに少し上げて削るそうで,そうなのか,と思った次第です。

今日はちょっと時間がなかったので実際に削るまでには至っていませんが,この週末,連休で時間があるので,ちょっと削ってみようと考えています。

かつお節/鹿児島県枕崎産一本釣本枯節

その他,同封されていたパンフレットなどお役に立ちそうなものを載せておきますね。

こちらは鰹節をどうやっていただくかとか,どのように保存するかとか,そういうことが載っています。

湿気させるとよくないそうなので,ラップかジップロックみたいに密封して,冷蔵庫で保管するのがいいみたいです。冷暗所でもいいようですが,夏場はちょっと心配ですね。

タイコウパンフレット

今回鰹節を購入させていただいた「タイコウ」さんのパンフレットです。

そもそも,鰹節はどれがいいのか,なんて目利きでもなんでもない自分にはさっぱり分からないので,そこは先人がいいと勧めるものが間違いないだろう,ということで,よくブログを拝見している土岐山協子さんのタイコウさんを取り上げた記事を拝見して,今回,初鰹節をタイコウさんから取り寄せた次第です。

タイコウパンフレット

ちなみに,荒節(あらぶし)というのはカビ付けがされていない鰹節で,燻した(いぶした)だけで終わらせたものです。

製造工程が短い分,お手頃な値段だそうで,あまり乾燥していないので,鰹特有の強い香りが残っているそうです。

主に大阪を中心とした関西圏で使用されているとのことで,普段の生活でよく鰹と昆布で出汁を取る出汁文化の大阪なので,お手頃な値段のものを大量に使うということかな,なんて思いました。

実際に削ってみるのが今から楽しみです。
 


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